女領主カルカスが鐘を鳴らした城壁伝説

カルカソンヌの名の由来に必ず出てくるといわれるのが「女領主カルカス (Dame Carcas) の伝説」。

古代ローマ時代、サラセン人の占領下にあった頃、侵略しようとしたカール大帝は市門の前に陣を敷き攻囲戦で臨んだ。この攻囲は五年を超えたが、この時、夫の大公亡き後シテの騎士団を率いていたのが、公妃カルカス。

攻囲が六年目に入ったとき、シテの内側では兵糧も水もなくなりかけていた。カルカスは残っているものの一覧を作ろうとしたときに、市民は豚一頭と小麦の袋をもってきた。

彼女はこれを見て一計を案じ、豚に小麦を食わせて太らせた上で、塔から市外へと放り捨てたそうだ。

これを見たカール大帝とその部下たちは、太った豚を惜しげもなく捨てるのだから、市内にはまだ十分な兵糧があるに違いないと考え、撤退を決めた。

カルカスはその勝利を祝福し、町中の鐘を鳴らさせた。撤退中の大帝軍の一人はこう書き記した。「カルカスが鐘を鳴らしている(Carcas sonne ; カルカ・ソンヌ)」と。伝説では、これが市の名前の由来になったのだという。

この話を聞いた時、ぼくの田舎にある伝説を思い出した。田舎から見上げる小高い山の頂上に「白米城」があったそうだ。そう、白米を惜しげもなく山から流したから。

このような英断は物語として素敵に思う。

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