通勤のラジオが楽しかった頃

中学生の頃からラジオが好きだった。60年代後半にあった深夜放送ブームの時はほとんど毎晩聴いていたように思う。ぼくは三重県に住んでいたので「CBCラジオ」と「東海ラジオ」の二択しかなかった。音楽を聴きたいぼくはCBCを聴いていた。シカゴの「解放」がテーマ曲だった。

高校の時、同級生とくに女性は東海ラジオの「ミッドナイト東海」を聴いていた。それはなんといってもトークが面白かったから。「アマチン・リコタン・レオ」と呼ばれた天野鎮雄・岡本典子・森本レオの三氏のトークは絶妙で人気が出るのは当然だった。聴き入ってしまうと手が動かないこともあって、ぼくはCBCで洋楽を好んで聴いていた。

大学に入って、関西に移ってから、自分の下宿にステレオを揃えレコードを聴くことが多くなってからはラジオを聴く機会が減っていった。たまに、東京のAMに電波を合わせたりしていたが、出力の強いTBS・文化放送・ニッポン放送は拾えたものの、大好きな大瀧詠一が出ているラジオ関東の番組は聴けなかった。

社会人になってから神奈川県→愛知県→大阪府を2往復して定年となったぼくは初めて東京に来た。縁あって日本橋の会社で働くことになったから。有名な通勤ラッシュも経験することになった。自宅を貸していたので、都営新宿線の東大島に住んだ。通勤時間は短かった。2017年の春に藤沢へ戻った。通勤時間が長くなった。

昨年の暮れに伝説の番組「ゴーゴーナイアガラ」が再放送されるという記事を読んだ。初回、日曜の深夜にチューニングしたが、いつもは寝ている時間なので、途中で寝落ちしてしまった。

昔はいつも聴いていたラジオだったのに、知らないうちに遠ざかっていた。車の中ではテープやCDを聴くことがほとんどで、トークが増えて音楽が減ったFMラジオを苦々しく思っていた。しかし、大阪の福島に住んでいた2012年頃は、ほとんど音楽のみという「FM梅田」というローカル局を発見して一日部屋に流していた。

そぅ、ぼくは世間から遠ざかったてたようで、「ラジコ」を知らなかった。

通勤時間が長くなってから、使い込んだipodを重宝していた。いろんなジャンルが数千曲入っていたし、英会話のテキストも入っていたので、飽きることはなかった。その愛機に寿命がきた。そしてスマホも買い換えていた。偶然アプリを探していてRADIKOに出会った。目から鱗、そして浦島太郎の気分になった。

ライブでももちろん便利だが「タイムフリー」がむちゃんこ楽しい。1週間以内の番組を再生始めてから24時間以内なら3時間も聴ける。いま一番お気に入りの日曜深夜の大瀧詠一スペシャルも、月曜朝の通勤で聴いて、帰りの通勤で繰り返して聴いている。他にも山下達郎のソングブックとか、滝川クリステルのSAUDE!SAUDADEとか。

ぼくはいまラジコと一緒に通勤している。

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#fav Each Otaki, Law&Order, Richard Curtis screenwriter famous for Love Actually, boarding Star Alliance, now living at Osaka-city in Japan, drawing biginner, swimming slowly, playing cherry jazz piano on leave and loving two daughters, born at Ise-city, Japanese.